山本五十六のラブレター
先日ブックオフで購入した本を紹介しました。
海軍連合艦隊司令長官山本五十六の書いたラブレターを
紹介しようと思います。
日付は昭和16年12月5日です。
宛先は河合千代子さんという新橋の芸者さんです。
五十六がラブレターを書くイメージがなくって、
その彼がどんな手紙を書いていたのかとても興味がありました。
先程もかきましたが昭和16年12月5日って
もうおわかりでしょうか。
真珠湾攻撃の3日前です。
そんな五十六自身もおそらく気持ちに余裕はない時に、
手紙を書いていたのには驚きでした。
勿論いかに偉い指令長官と言えども、
きっと手紙の内容は検閲されていると思います。
その中で「薔薇はもう咲きましたか。其1ひらが散る頃は嗚呼」という行で締めています。
この薔薇が何を物語っているのかはお分かりと思います。
きっと本人は日米開戦は避けたかったのにそれができなかった、そんな苦悩も読み取れます。
山本五十六というと無骨で不器用なイメージですが、
その彼が自分の好きな女性の前ではごく普通の男性で、
自分の仕事に対する思いを好きな女に吐露していたのだと
思うとただの「男」であったんだと思った。
ましてや、この国の将来に影響する仕事です。
本人のストレスは想像もできないです。
もうそうなると単なる好きな女へのラブレターと
いう括りではないですね。
そうでもしないと自分の心の平静と
保っていられないのでしょう。
所謂不倫の関係ですが、それを認めるわけにはいかないけど、
この二人の関係はそれこそ「墓場まで持っていく」
そんな覚悟だったのかもしれないです。
人間生きていたら自分がどういう立ち位置にいようが誰かを好きになるというのは当然と思う。
五十六のように日本の未来を背負ってるメンタル強い人でも
一人で強くなれるってのはあり得ないことなんだと思った。
五十六の国葬の前に彼女は軍に呼ばれて
「司令長官に女がいてはまずいから自決せよ」と
あったそうです。
結局は自決はしなかったものの、
きっと生きた心地はしなかったと思う。
そこまで二人共ぎりぎりの所での恋愛だったんですね。
もうそうなると昨今の芸能人や政治家の不倫なんて
生ぬるいのかもしれない。
もし五十六が戦死していなくって終戦を迎えていたら、
日本はどうなっていたのだろうかと思う。
多分その陰には河合千代子さんがいたんだと思う。
とても真似できないけど何だかあっぱれなラブレターでした。